The Burton Blog

From Burton to the World: 過去から現在へ、ジェイクの言葉を紡ぐ

4年に一度、スノーボーディングは、かの世界的な大舞台で主役級の注目を集めます。その短い期間のなかで、このアクションスポーツは、スノーボーダーだけのタイトなコミュニティを飛び越え、より多くの人々を巻き込みながら、その存在感をより強めていきます。それこそが、私たちがずっと思い描いてきた未来でもあるのです。

Burtonの創設者、ジェイク・バートン・カーペンターは、スノーボーディングがいつか世界を魅了する存在になると、迷いなく信じていました。私たちは、ジェイクが遺した言葉や思想、そしてスノーボーディングそのものを次世代へと継承していく立場として、今も彼の言葉を指針として歩み続けています。

2026年2月、イタリアの大舞台で宙を舞うライダーたちの足元にあるスノーボードには、ジェイクのビジョンが文字となって刻まれています。それらは、かつてBurtonのカタログなどに掲載された、ジェイク自身が綴った言葉であり、彼のスノーボーディング哲学そのものです。そして、それらは時代を超え、今も色褪せることはありません。

Burton設立から49年。オリンピック初参加から28年。Burtonチームライダーが獲得したメダルは30個以上。

ジェイクの遺した言葉が、今もチームライダーと私たちを前へと突き動かす原動力となっているのです。

大胆なグラフィック、色褪せない言葉

               
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From Burton to the World は、ジェイク・バートンが遺した言葉やスノーボーディングの哲学を、現在のBurtonチームライダーたちがどう受け継ぎ、どう表現しているのかを、彼ら自身が乗るスノーボードを通して、世界に届けるプロジェクトです。Burtonはこれまで、カタログをはじめとする膨大なアーカイブを通して、スノーボーディングのカルチャーを記録し続けてきました。その中心にあったのが、ジェイクの言葉です。

Burtonのカタログは、いつもジェイク・バートンからの手紙で始まります。そこには、ブランドへの想い、スノーボーディングをどう捉えてきたのか、そして、このカルチャーをどんな未来へつないでいきたいのかが、彼自身の言葉で語られてきました。今回、私たちはその膨大なアーカイブを改めて読み返し、数十年にわたるスノーボーディングの進化とともに語られてきたジェイクの言葉の中から、今の時代にも強く響く6つのメッセージを選び出しました。

そして、その言葉をチームライダーたちと共有し、問いかけました。

「スノーボーディングは、あなたにとってどんな存在なのか」

「ジェイクの想いは、あなたのライディングの中でどう生きているのか」

「私たちは、何を受け継ぎ、何を大切にしてきたのか」

ライダーたちは、自分の心にもっとも響いた言葉を選び、そのメッセージにふさわしいカラーを決めました。こうして生まれたのが、6つの異なるカラーで表現された、縦に大胆に配置されたBURTONのロゴ。それぞれのボードには、ジェイクの言葉がバインディングの間を貫くように刻まれています。ジェイクの言葉を、ライダー自身が選択することで、それぞれの想いがひとつにつながり、より力強いメッセージとなったのです。

時を超えて響く、ジェイクのメッセージ

スノーボードの黎明期から成熟期に至るまで、ジェイクはスノーボーディングの可能性を本能的に理解し、それを信じ続けていました。だからこそ、彼の存在はとても特別でした。1980年代、1990年代、2000年代、そして2010年代。それぞれの時代に彼が遺した言葉は、当時と同じように今なお色褪せることがなく、多くの人々の心に響くのです。

チームライダーたちが乗るスノーボードに刻まれたジェイクの言葉は、次の3つの想いを伝えています。スノーボーディングの原点、ライディングを続ける理由、そして、このカルチャーを共にすることです。

本気で遊ぶ。それが、Burtonの流儀だ(1989)
1989 (1)

1989年、Burtonコミュニティに宛てたジェイクの手紙は、この一文から始まります。当時のカタログのページをめくると、満面の笑顔、ビキニ姿でクルージングするライダー、さらにはギターを弾くシーンが並びます。その頃、すでに成熟したスノースポーツ(スキーのこと)は、どこか堅苦しく、排他的な空気をまとっていました。しかし、ジェイクは知っていました。本当に大切なことは、誰かが決めた正しさに従うのではなく、自分自身が心から楽しむことだ、と。

ここで言う “seriously” は、深刻になるという意味ではありません。楽しむことが不可欠であり、それが私たちに充実感を与えてくれるものだというメッセージなのです。スノーボーディングは、何よりも「楽しさ」を求める人のためにあるものです。だからこそ、私たちは滑り続けるのです。

質問: スノーボードは、ただのブームに過ぎないのでしょうか?
答え: 冗談はやめてくれ。本気で言っているのか? (1992)
1992 (1)

1990年代に入っても、スノーボーディングには否定的な声がつきまとっていました。リゾートではライディングを拒まれ、山では「それらしい見た目」でなければ認められず、挙句の果てには「どうせ一過性の流行だろ?」なんて言われていた時代です。

1992年のBurtonカタログで、ジェイクはその空気に真正面から向き合います。ある専門誌に掲載されたインタビュー。そのやりとりが、ほぼそのまま引用されました。チームの話、ライディング歴、そのシーズンの新作など、ごく普通の質問が続き、最後に投げかけられたのが、冒頭の問いでした。

Burtonの進むべき道に、迷いはありませんでした。後戻りもしなければ、他の逃げ道を探すこともしませんでした。すべてをスノーボーディングに賭ける。それ以外に道はない。ジェイクは最初からそう理解していたのです。

流行は、やがて消えます。でも、スノーボーディングは違いました。あのときも、そして今も。

滑ることでエネルギーをチャージし、そのすべてを滑るためのギア作りに注ぎ込む。その繰り返しさ(1993)
1993 (1)

これからスノーボーディングを始める人たちに、Burtonについてひとつだけ伝えたいことがあります。それは、私たちのすべての活動がライダー主導で成り立っている、という点です。 1993年のカタログに寄せたジェイクのレターも、その本質を、とても彼らしい言葉で表していました。

一見すると、それはプロダクトデザインの話のようにも聞こえます。滑ることがイノベーションの源となり、そこで生まれたアイデアが、再びスノーボーディングへと還っていく。これは、すべてのスノーボーダーに向けたメッセージでもありました。

スノーボーディングには、人を前向きにする力があります。完璧なターンが決まった瞬間。初めてレールでボードスライドをメイクしたとき。最高の仲間たちとのセッション。そのすべてが、次へと向かうエネルギーになります。だからこそ、私たちは何度でも雪山に戻ってくるのです。

そのエネルギーは、他のライダーからも伝わってきます。誰かがパークで大技を決めた瞬間。お気に入りのライダーが、ハーフパイプで完成度の高いランを魅せたとき。その熱は胸の奥で膨らみ、また雪山へと向かわせるのです。

スノーボーディングのベストなことは、見かけのカッコ良さではなく、どのように感じるかです (2000)
2000 (1)

スノーボーディングは、確かに「楽しさ」から始まったカルチャーです。でも、私たちを何度も雪山へと引き戻すのは、それだけではありません。

2000年のBurtonカタログで、ジェイクはチームライダーたちに冒頭の一文を贈りました。これは、見た目やスタイルを否定する言葉ではありません。スノーボーダーにとってどちらも重要で、しかも人それぞれ。それは、今も昔も変わらない事実です。ただジェイクが伝えたかったのは、ライディングの本質は、頭で考えるものではなく、身体で感じるものだ、ということでした。

ノートラックのパウダーを駆け抜ける、その瞬間。意識はコンマ0秒以下で“今”に集中し、ボードが雪の上を浮遊する感覚や、そのときの風を全身で感じます。トップからボトムまでをどう滑ったかは、重要ではありません。ボードと語り合い、仲間と波長が合い、ただ気持ちよくいられること。それこそが、すべてなのです。

とにかく、全力で楽しんでくれ! (2009)
2009 (1)

2009年のBurtonカタログは、250ページを超える大作でしたが、ジェイクのメッセージは短く、核心を突いたものでした。

何でもとにかく楽しんだもの勝ち。

これはスノーボードだけでなく、ジェイクの人生における哲学でもありました。人生は短く、かけがえのないもの。しかも、一度しかありません。ジェイクは、何事においても楽しむチャンスを逃さず、私たちにもそのことを伝えてくれました。だからこそ、その思想を、ずっと受け継いでいるのです。

スノーボーディングを信じて(2010)
2010 (1)

「何かを信じること」とは、ただ受け身でいることではありません。盲目的な信仰でも、頭に思い描くだけでもなく、意味を持った行動を伴う約束なのです。

2010年のジェイクのメッセージは、それを明確に示していました。

「世界は常に変わり続ける。でも、私たちのミッションは変わらない。できるだけ多く滑り、プロダクトとスノーボーディングを進化させ、より多くの人を巻き込んでいこう」。そして、冒頭の一文につながります。

積極的に滑り、仲間と共有する。スノーボードがもたらす喜びや可能性を知り、それを広めること。ジェイクもチームライダーも、それを理解しています。だからこそ、私たちはスノーボーディングを世界中に届けたいと情熱を注いでいるのです。

情熱の炎を未来へとつなぐ

ジェイクがアメリカ・バーモント州の小さな納屋でスノーボードを作り始めたとき、その火種が生まれました。Burtonは49年間、その火を受け継ぎ、決して消えることのない炎へと発展させてきました。バックヤードでの反骨心あふれる遊びから世界的なムーブメントへと発展する過程において、私たちはスノーボーディングを見守り続けてきたのです。

この28年間、チームライダーはオリンピックに出場し続け、30個以上のメダルを獲得してきました。そして、私たちは、常に革新的なプロダクトを生み出し、世界中のスノーボーダーたちにインスピレーションを与え、無限に広がる楽しさを届けてきました。これは、ジェイクが思い描いたビジョンへの、私たちの揺るぎないコミットメントの結果だと確信しています。

これは、私たちと共に滑り、スノーボードがあなたにとって何を意味するのかを発見するための招待状です。