ダウンと化学繊維を徹底解説!

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Rider: Ryusei Takahashi / Photo: KentaRAWmatsuda

雪山での1日を快適に過ごすには、正しいレイヤリングが欠かせません。なかでも、保温性を確保するうえでミッドレイヤー選びはとても重要です。特に温かいものをお探しなら、インサレーションが入ったアイテムを選ぶと良いでしょう。Burtonでは、ダウンもしくは化学繊維のどちらかを採用しています。今回は、インサレーションの基本やそれぞれのメリット&デメリットについて解説します。

インサレーションの基本

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環境や動物福祉の点から見ても、Burtonのインサレーションはどれも安心安全です

インサレーションに使われる素材は、主にダウンと化学繊維の2種類があります。ダウンはダック(アヒル)やグース(ガチョウ)の羽毛を使った天然素材で、ダウンボールと非常に細かい羽毛が混ざったものです。Burtonでは、社会的責任に基づき採取されたダウンのみを使用しています。つまり、倫理的扱いを受けたダックやグースから採取された羽毛であり、第三者機関によって保証されています。

一方の化学繊維はダウンと似た構造で、多数の細かな繊維が絡み合ってできています。メーカーによって異なるプラスチックを原料としており、BurtonではPrimaLoft®︎とThermacoreの化繊インサレーションを採用しています。PrimaLoft®︎はリサイクルポリエステルとバージンポリエステルから、Thermacoreはバージンポリエステルとエコブレンドから作られています。

温かさの仕組み

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空気の隙間、通称デッドエアスペースが温かさの秘密

冒頭でも触れたように、雪山での1日を快適に過ごすためにはレイヤリングが鍵になります。吸汗性や速乾性を持つベースレイヤー、保温性を提供するミッドレイヤー、そして防水性や透湿性を備えたシェル、これらを上手に組み合わせることで様々なコンディションに対応します。

今回の主役、保温性を語るうえで外せないのがデッドエアスペースです。聞き慣れない言葉かもしれませんが、体の熱によって温められた空気を含むエアポケットのことを指します。インサレーター(インサレーションが入ったアイテム)は、可能な限り多くのデッドエアスペースを生み出すようデザインされているのが一般的です。また、高品質なものは優れた透湿性も兼ね備えているので、暖かい空気を閉じ込めながら汗などの湿気を逃すこともできます。

もちろん、インサレーターを選ぶ基準は他にもあります。ダウンのフィルパワーや構造、化繊インサレーションの重量などがそれです。

温かさの基準とは?

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左が天然のダウン、右がシート状の化学繊維。アイテムの外見からは想像できませんが、中身はこんなにも違うのです

ダウンの温かさを表す際に使われるのがフィルパワーという数値で、羽毛のかさの高さを示すものです。1oz(28g)のダウンを測定用の円筒に入れ、その上に94.25gの重りを載せてダウンを圧縮することで算出します。フィルパワーが高いダウンは元に戻ろうとする反発力や復元力が強く、それは断熱性が高いことを意味し、より多くの空気を閉じ込めることができるのです。ハイフィルパワーのダウンはデッドエアスペースが多いため、当然コンパクトに収納することも可能。ちなみにBurtonでは、主に700フィルパワーと800フィルパワーのダウンを採用しており、雪山で十分な保温性を提供します。また、フィルパワーとは別で90/10といった数値も目にするでしょう。これは羽毛と羽根の比率を示すもので、一般的に羽毛の割合が多いほど高品質なダウンとされています。

一方でPrimaLoft®︎やThermacoreなどの化学繊維は、40g/smや200g/smなど1平方メートルあたりのグラム数で表され、数値が高いほど温かくなります。アイテムによっては、特に保温性が必要なエリア、例えばベストのような形でインサレーションを入れるモデルもあります。

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Burtonで最も高い保温性を誇る[ak] Baker Expedition Down Jacketは3Dバッフル構造を採用 / Rider: Jessa Gilbert

ダウンではバッフルと呼ばれる構造も重要で、保温性を均一に提供するために重要な役割を果たしています。ダウンは羽毛の集合体なので、バッフルは羽毛の片寄りやコールドスポットの発生を軽減します。バッフルには、ステッチスルーバッフルとボックスバッフルの2種類があります。まず、表地と裏地を一度に縫い合わせたものがステッチスルーバッフルで、縫製工程が単純な分だけ価格が安いケースが大半です。ただし、縫い目付近はダウンの厚みがなくなるため、また冷気の侵入もあり、やや保温性に劣るエリアがあるのも事実です。ボックスバッフルは縫い目がないので冷気の侵入もありませんが、構造が複雑なため価格は高くなります。ちなみに、さらに保温性を高めた3Dバッフル構造もあります。一方の化繊インサレーションはシート状になっているので、ダウンのように片寄ることがないためバッフルを必要としません。

ダウンor化学繊維?

ここまでインサレーションの基本について解説してきましたが、ここからはダウンと化学繊維それぞれのメリット&デメリットを紹介します。

ダウンのメリット&デメリット

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バックカントリーでは、コンパクトに収納でき保温性も抜群な[ak] Baker Ultralight Down Jacketがオススメ / Rider: Yuka Fujimori / Photo: KentaRAWmatsuda

ダウンの大きなメリットは、その軽さにあります。ハイフィルパワーのダウンは、化繊インサレーションよりはるかに軽量でありながら、より高い保温性を提供します。また、ダウンはコンパクトに収納できるため、バックカントリーなど荷物を少なくしたいシーンで重宝するのです。

化繊インサレーションを使用したアイテムに比べ、ダウンを使ったアイテムは快適に感じられる気温の幅が広いことも特長です。様々なコンディションに対応できるという点で、大きいなメリットであると言えるでしょう。ただしダウンは高価なのも事実で、さらに濡れると保温性が低下してしまう点も伝えておかなければなりません。この辺がダウンのデメリットではないでしょうか。

ダウンのオススメアイテム

Women’s [ak] Baker Ultralight Down Jacket
Women’s [ak] Baker Ultralight Down Jacket
Men’s [ak] Baker Ultralight Down Jacket
Men’s [ak] Baker Ultralight Down Jacket

化繊インサレーションのメリット&デメリット

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濡れても温かさをキープしてくれる[ak] Helium Hooded Stretch Insulated Jacketは、オンスノーはもちろんオフスノーでも大活躍 / Rider: Bryan Reid

PrimaLoft®︎やThemacoreなどの化繊インサレーションは、スノーボードジャケット&パンツからミッドレイヤーまで幅広いアイテムに採用されています。メリットとしては、まずダウンに比べて安価で、メンテナンスも簡単、そして何より濡れても温かさをキープしてくれる点が挙げられます。特に湿気の多いシチュエーションでは化学繊維がオススメです。逆にデメリットとなるのが、同程度のダウンより重いことです。また、ダウンほどコンパクトに収納できない点もデメリットと言えます。バックカントリーよりリゾートでのライディングにピッタリと言えるでしょう。

化繊インサレーションのオススメアイテム

Women’s [ak] Helium Hooded Stretch Insulated Jacket
Women’s [ak] Helium Hooded Stretch Insulated Jacket
Men’s [ak] Helium Hooded Stretch Insulated Jacket=
Men’s [ak] Helium Hooded Stretch Insulated Jacket

自分に合ったインサレーションを

今回は、ダウンや化学繊維といったインサレーションについて解説しました。まずは基本を学ぶことで、より賢くアイテムを選ぶことができるはずです。また、それぞれにメリット&デメリットがあるので、自分の滑るフィールドや必要とする保温性を考えてアイテムを選んでください。もちろん保温性だけでなく、ベースレイヤーやシェルと組み合わせたレイヤリングをお忘れなく。ここまでミッドレイヤーを中心に解説しましたが、ダウンや化繊インサレーションが入ったスノーボードジャケットも展開しているので、下記リンクからチェックしてみてください。

Burtonのインサレーターは、こちら(ウィメンズ / メンズ / キッズ)からご覧ください。




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